西条郷土博物館とは

設立の経緯

  当館は、西条市大町の故田中大祐翁がその全生涯をかけ収集し西条市へ寄贈された貴重な資料2300点余を基本標本として、東堀端の元市立図書館跡に、昭和28年7月21日開館した総合博物館です。昭和34年には、文部省から博物館相当施設の指定を受けました。その後、建物が老朽化し、改築の必要に迫られたとき、西条市出身の篤志家故服部久吉翁から建築費の寄附を得て、昭和42年6月5日、愛媛民芸館の建築と併せて現在地に移転し今に至っています。

浦辺建築の魅力

 

  当館は倉敷という地方都市に根差しながら世界を見据えて活動し、日本建築学会大賞や毎日芸術賞にも輝いた建築家浦辺鎮太郎氏の作品です。浦辺は伝統的、歴史的な街並みと調和する近代建築のあり方を追求し、クラフト(手仕事)とインダストリー(工業)を融合させた独自の境地を切り開きました。当館では、コンクリートと木の融合、民芸調の自在なデザイン、旧西条藩陣屋跡の景観と調和した浦辺建築の魅力をご堪能ください。 

西条市の歴史かおる陣屋跡に


  西条藩は、伊予の豪族河野氏を祖とする一柳直盛が寛永13年(1636年)に封ぜられたことにより始まります。爾来、一柳氏3代、紀州藩分家の松平氏10代230年に亘り、城下町として栄えます。
  当館は、その西条藩の陣屋跡、全国的にも稀な澄水のお濠に面し、遠く石鎚の霊峰を望む風光絶佳の地に建てられました。